今回は、フィリピンの貧困が生まれる要因について考察していきます。
多くのフィリピン人が農業や漁業、非正規雇用などの低賃金で不安定な仕事に従事していることが、貧困を生む主要な要因となっています。都市部では高度なスキルを持つ人々に対する雇用機会が多いのですが、学歴やスキルのない子ども達には、不安定かつ低賃金での雇用形態しか選択肢が残されていません。
労働市場の不安定さ、職業訓練の不足、不十分な教育等が雇用機会を制限し貧困から抜け出すことを難しくしています。
フィリピンの教育システムには様々な課題があり、経済的な理由や地理的な理由から学校に通うことすらできない子どもたちもたくさんいます。
十分な教育を受けることができず英語が話せなかったり、中等・高等教育を終了できなかった子どもたちは、安定した職業に就くことは困難です。不安定で低賃金での雇用にしか就くことができないのです。そのため、次世代にも十分な教育を受けさせることができず、いわゆる「貧困の連鎖」がおきていってしまうのです。
現在、フィリピンの大学進学率は30%から40%とされています。地域間また家庭の経済状況によって大きく異なります。富裕層の49%が大学に進学している一方で、貧困層は17%にとどまってしまっています。
画像は今回のボランティア活動のひとこまです。みんな本当に純粋でかわいいです。この子ども達が行き届いた教育を受けられるようになってもらいたいと願うばかりです。
現在、フィリピンの都市部、特にスラム地域や密集した住宅地では、頻繁に大規模火災が発生します。火災の原因としては、電気配線の不良、ガス漏れ、違法な焚き火などがあるようです。大規模火災は多くの家屋を焼失させ、多くの人々が住居を失うことにつながります。全てを失った貧困層が、自力で生活を立て直すことは非常に難しく、さらなる貧困につながっていきます。
今回のボランティア活動を主催しました「SYD修養団」では、フィリピンの貧困層の子どもたちの中から、志や能力の高い子どもたちを選抜して、初等教育から大学卒業までの息の長い教育支援を提供することで、将来、地域や国の社会問題を解決できるリーダー的な人材を長期に渡って育成しています。
私達もどんな協力できるか考えていきたいと思います。そして、子供たちの成長を見守っていきたいと思いました。