これまで3回にわたり発展途上国であるフィリピンの貧困問題についてレポートしてきました。
さて、視点を変えて、ここでは「発展途上国におけるコーヒーの課題」について考察してみます。次のようなものが考えられます。
◆生産者の貧困と労働環境が悪化していること
◆コーヒー豆の取引価格が不安定で低水準であること
◆気候変動によるコーヒー生産に適した地域が減少していること
コーヒー豆を生産する農家の多くは熱帯地域の発展途上国の小規模農家で、地球温暖化による気候変動や環境破壊の影響を受けています。
コーヒー豆の取引価格はニューヨークやロンドンの先物取引市場で決められており、不安定で低水準に推移しています。また、コーヒー豆の生産には大手企業が関与しており、低い代価で買い取られたり、生産農地拡大のために森林伐採や農薬・化学肥料の大量使用が行われたりしています。
国際調査機関のワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)によると、地球温暖化による気候変動により、2050年までにコーヒー豆生産量の約6割を占めるアラビカ種の栽培に適した地域が半減するとされています。
このため、コーヒーの供給が難しくなり、コーヒーで生計を立てている約1億2500万人の人々の生活に影響が出ると危惧されています。
当店では以下の施策を展開してこれらの課題への対応を心がけて行きます。
◆課題を解決するためには、適正な貿易取引の実施が有効です。安定した取引価格の保証が約束されたコーヒー豆の取引を推進します。これにより生産者の賃金が保証されます。生活水準が向上し、貧困の撲滅にもつながっていきます。
◆再生可能エネルギーの活用につながる「コーヒー焙煎の電動化」により地球温暖化問題に対応していきます。そして、緑のコーヒー農園を守っていくことに少しでも貢献したいと思います。
今回は以上です。